シジュウカラ日誌

トルコのアレヴィーについて研究する大学院生のブログです。文化人類学を専攻しています。研究のこと、トルコのことなど好きなことについて楽しく書きます。

初めての聖地訪問を振り返って(後編)

前編の記事では、アレヴィーの聖地ハジュベクタシュへ行った時、ある違和感を感じるに至った経緯について振り返ってみた。

初めての聖地訪問を振り返って(前編) - シジュウカラ日誌

 

2015年3月、僕は卒業論文で扱おうとしていたアレヴィーの人々が聖地とみなすハジュベクタシュに初めて訪れた。聖地と言われるくらいなのだから、さぞかし熱いアレヴィーの信仰・実践が見られるのだろうと期待していた。

しかし実際に行ってみると、人々の意外にも冷めた姿勢にいささか拍子抜けしたところがある。当時は「ふーんそんなもんか」という感じで取り立てて問題視しなかったのだが、先週読んでいた本で少しばかり謎が解けたような気分になったのだ。

今回はやや冗長になってしまったが、ここまで見に来ていただいたご縁で少しばかりお付き合い願いたい。 

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フィルム写真のこと

 

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新宿駅東口付近

 

去年の暮れくらいからフィルム写真に凝り始めました。家の掃除をしていた父が、タンスの奥で眠っていた古いカメラを譲ってくれたのがきっかけです。

今日は久々に現像に出していたネガを受け取ってきました。今回は初めてモノクロフィルムに挑戦してみたので、下手で申し訳ありませんがよかったら見てください。

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初めての聖地訪問を振り返って(前編)

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ハジュ・ベクタシュ修道場

最近ある本を読んでいて、初めてアレヴィーの聖地に行った時のことを思い出した。そこで町の人に言われてずっと引っかかっていたことが、そういうことだったのかと解けた気分になったのだ。今回はその時の記録を元に色々と振り返ってみたいと思う。

2015年の3月、卒業論文を控えていた僕は、アレヴィーの人たちが聖地のように考えているハジュベクタシュという町に行った。当時は政治問題の観点からアレヴィーを考えようとしていたが、一度もアレヴィーに会ったことがないのは良くないと思い、急遽旅行を計画したのだった。

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はじめまして

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トカット県の割礼式



日々アイディアは色々浮かんできても、それをちゃんと文章にすることがなかったのでブログを開設してみました。

 

僕は東京の大学院生で、トルコのアレヴィーという人々について研究しています。トルコはイスラームスンナ派(スンニー)が多数派の国ですが、僕が研究するアレヴィーはシーア派的な要素が強く、また古代トルコのシャーマニズムの影響を残している(?!)とも言われています。実践もスンニーのそれとは大きく異なるし、初めて知ったときのわくわくは半端なかったです。日本で研究している人はあまりいないし、日本での知名度もほとんどないけれど、何かの拍子に見に来てくれる方もいらっしゃるかなぁと期待しています。

 

大学院から人類学を真剣に学び始め、これから取り組む修士論文も、去年9か月行ったフィールドワークのデータを中心に書いていきたいと思っています。人類学では圧倒的に不勉強な自分がフィールドワークなんておこがましいのですが、自分としては真面目にやったつもりなので、どうやってちゃんとしたものにしていこうか試行錯誤中です。

 

ブログのタイトルですが、僕の好きな鳥から取りました。実家では冬の間だけ野鳥(特に小鳥)に餌付けをしていて、その中でまっさきに来るのがシジュウカラという鳥です。春になると庭で子育てもしてくれていました。きびきびと動くシジュウカラは、お腹にある黒いネクタイ模様が特徴的で、動きも見た目もすごく「デキるやつ」という印象があります。自分自身は非常に面倒くさがりでものぐさなので、尊敬するシジュウカラさんにあやかってみようと思った次第です。

 

 研究の合間をぬって更新していければと思います。よろしくお願いします。